お茶処の静岡、鹿児島に抜かれる

こんにちは、Kane-Heyです。

今朝の静岡新聞の一面に、
お茶の静岡県、一位陥落という内容で、
記事が掲載されました。

静岡県民であれば、
ショックを受けた・・・、と言いたいところですが、

Kane-Hey含め、お茶農家であれば、
そんなの時間の問題で、
いずれそうなるでしょう、
冷ややかな受け止めをする人が
大半なのではと思っています。

記事には、品質重視、差別化、リーフ需要喚起、等
ありきたりな対策が書かれてますが、
耳タコで正直うんざりです。

そんなことは、とうに分かっていて
それができてないから、今に至っていると。

一位陥落によって、いろんな意見や分析から、
静岡県がとるべき対策が議論されると思いますが、
あえて、Kane-Heyの目線で書きます。

茶の出荷先である茶市場が、品質を公平に判断する仕組みがなく、高品位な製品を出荷しても価格で報われず、農家は馬鹿馬鹿しいと感じ茶生産をやめる。

高齢化が原因で茶生産が衰退しているといっているが、そうではない。単に、営農の事業面で収支が合わず、収益で引き付ける魅力もなければ、続ける理由もない。
仮に儲かる事業であれば、歳をとってもいろいろ工夫して事業は継続される。

自身が感じる衰退の原因はこんなところです。

少し、補足すると、
鹿児島県では、出荷した荒茶はセンサーで分析され
品質が数値化されます。これにより、公平に品質が評価され、
茶商や問屋によって価格付けが行われます。

このように品質が見える化されることにより、
品質向上に切磋琢磨すれば、連動して価格がついてくる
仕組みになっているので、より良いものを作ろうという
インセンティブが働き、かつ、モチベーションの維持に
つながっています。

一方、静岡では、
俗人的な経験や感覚によって価格付けが行われ、
茶商や問屋が、
あることないこと様々に製品をけなし
安く買い取ろうとします。

また、品質が劣悪でも長年のお付き合いで
屋号価格で取引がされたりするので、
古参の生産者が有利だったりします。

また、同じ、静岡県のお茶なのに、
地域格差があり、
尋常とは思えない価格差があったりします。

静岡県の牧之原台地を中心とした産地と比較し、
Kane-Heyの住む東部のお茶は、
1000円近くも価格が安くなることがしばしばです。
誰に聞いても、過去からの習慣でそうなっているという
説明でしかないのですが、
ほぼ同じ時期に摘採し、肥料、防除、茶園管理も
同じようにコストをかけ、同じ品質で出荷しているのに、
何故、ここまでの価格差になるのか
まったく理解できません。

こうした、理不尽で曖昧な茶の取引を
これまで永遠と繰り返してきた静岡は、
茶農家が離れてしまっても、
仕方がないかと。
また、生産量が落ちても当然だと。

商いの習慣や仕組みを変えることは
非常に困難を極めると思いますが、
本気で大ナタを入れないといけない
時期にきているのではと感じています。

じゃ、具体的にどうしたらいいんだ、
問われたら、まずは、品質の見える化と答えます。

これにより、自分の製品が、
何が勝っていて、何が劣っているのかが分かり、
対処をしていくことで、
より良い製品づくりにつながると思っています。

また、製品の良し悪しが見える化されることで、
不当な価格付けも是正され、努力に見合った価格となり
納得感が得られ、モチベーションが維持できます。

今回の記事によって、静岡のお茶の在り方が、
多くの人に意識されたと思います。
少しでもよき方向になればと思ってます。